温泉・温浴関連設備の展示会「スパ&ウエルネスジャパン」(9~11日、会場=東京ビッグサイト、主催=UBMジャパン)の特別企画として、パネルディスカッション「温泉ビジネスの最前線と温泉地への期待~世界が注目する日本の入浴文化」が9日、同会場で開かれた。全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)シルバースター部会の中村実彦部会長(長野県・ホテル五龍館)が登壇し、人々の健康増進に役立つ温泉の重要性をアピール。誰もが利用しやすい環境整備に一層力を入れるとした。
中村氏は、高齢者など、誰もが安心して利用できる宿の普及を目指す全旅連シルバースター部会の活動を紹介。
「日本人の平均寿命(男性81.09歳、女性87.26歳)と健康寿命(男性70.42歳、女性73.62歳)の差を縮めることが医療費の縮小につながる」との司会者の指摘に、「温泉入浴や、温泉を利用したアクティビティーが疾病を予防し、人々の健康寿命を伸長させる」と温泉の効用を述べるとともに、「高齢者をはじめ、人々の温泉利用がさらに求められるだろう」と、誰もが利用しやすい宿や温泉施設の普及に今後も力を入れるとした。
温泉入浴指導員などの資格を持つ温泉家、スプリングラボ合同会社CEOの北出恭子氏は、「レスト」「レクリエーション」「リラクゼーション」「リトリート(心と体に優しいプログラム)」を、人々のストレスを緩和させる「4R」と紹介。温泉入浴ほか、森林浴、体に優しい食事、ヨガなどリトリートのプログラムを持つ旅館が最近増えているとして、「日頃のストレス解消へ、若い女性にもどんどん行ってもらいたい」と述べた。
中村部会長(右)と北出氏